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知っておくべき髪の基礎知識 - 薄毛の原因

 薄毛の人が不健康なイメージで捉えられ、髪がフサフサなのが理想とされるのはなぜでしょうか。髪が薄くても生きていく上で問題はありません。では、そもそもなぜ髪は生えているのでしょうか。髪の役割として挙げられるのは、保温効果、紫外線からの保護、フェロモンの発散効果などがあります。また、有害な物質を体外に出す働きがあるとも言われます。色んな意味で、髪は人間の健康を支えています。そのため、薄毛が不健康と思われるのには一理あります。薄毛は白髪やシワと同じく、老化現象の一つでもあります。でもそれ以上に、頭髪が無いと顔を形作る美的バランスが崩れ、純粋に見た目が悪くなるという問題もあります

 薄毛を勉強しようとすると、必ずといってよいほど、まず毛乳頭や皮脂腺などの髪のパーツを、毛根の断面図を使って学びます。髪と毛根の断面図を見ると、なんとなく髪の基本が分かったような気がするのですが、これは危険の始まりかもしれません。私は以前、脂が多すぎて毛穴を詰まらせるから薄毛になるとか、頭皮が硬いために毛細血管からの栄養が行き当たらないために薄毛になるなどの俗説を、この毛根の断面図を使って説明されたことがあります。実はそれらはすべて根拠の無い俗説なのですが、断面図を見ながら説明されるとそれらしく聞こえてしまい、長い間信じ切っていました。実際はその断面図と薄毛の原因との関係は解明されておらず、あまり髪を構成するパーツを深く理解することは重要ではありません。

 薄毛を考える上で知っておいて損のない髪の基礎知識は、「髪の成長サイクル」についてです。成人男性の頭髪は約10万本あるといわれていますが、通常は90%の頭髪が成長期(アナゲン)にあり、これが4年から6年続いて髪が延び続けます。その後、退行期(カタゲン)が2−4週間続き、その間に髪の成長が止まります。休止期(テロゲン)が2−4ヶ月間続いたあと、再び新しい髪が生える成長期を迎えます。新しい髪の芽が成長すると、まだ抜けていない古い髪は押し上げられて、抜け毛となります。健康な頭髪でも通常1日50本から100本は髪の毛が抜けるのは、この3段階の成長サイクルがあるからです。

 髪は伸ばすと伸び続けるものだと思っている人もいるのではないかと思います。でも上記のメカニズムを理解すると、永遠には伸び続けることがないことが理解できます。成長期が6年とすると、毎月1cm伸びたとして、最長で72cmとなります。ギネスブックにのっているような世界最長の髪を持つ人は、成長期が長くて6年以上もある人か、毎月伸びる長さが1cmより長い人だといえます。いずれにしても、人間の頭髪の成長には限界があるのです。

 ここで重要なのは、髪はこのサイクルを何百回も続けるのではないということです。1つの毛包ごとに1本の髪の毛が生えますが、1つの毛包はこれを約20回ほど続ける能力があるといわれています。これも髪の成長に対する限界の一つです。特に男性型脱毛症の薄毛に悩む人は、通常4−6年も続くはずの成長期が短くなるのが特徴です。成長期が短いと、髪の成長サイクルを回るスピードが速くなり、髪が持っている成長サイクル回数(例えば20回)を簡単に使い果たしてしまうことになります。ずっと健康な髪であれば成長期6年x20回で120年間髪を生やし続けることができます。ところが、男性型脱毛症になって、例えば1回の成長期の平均が2年になると、20x2=40歳で髪が生えてこなくなることになります。そして、さらに悪い事に、男性の「生え際」の毛包は、もともと髪の成長サイクル回数が少なく、20回も無いとされています。これが、生え際から薄毛が目立ってくる理由の一つでもあります。

 プロペシアという薬で髪を生やそうとする人が、なるべく早く始めた方がよいといわれる理由もここにあります。薄毛の対処をせずに放置しておくと、髪が成長サイクルを使い果たしてしまい、その後から治療してももう遅いからです。プロペシアやリアップなどの薬の効果や入手方法、価格などについては別の記事で詳しく説明します。

 生え際から始まった薄毛が進行し、頭頂部まで薄毛が進み、薄毛が限界まで進んだとした場合、どれぐらいの髪が残るのでしょうか。実はどんなにハゲていても、頭髪全体の30%−40%の面積しかハゲていないそうです。6割から7割の髪が残っていても、ほとんどの髪が無くなったようにハゲて見えるのは、それぐらい目立つ場所の髪が抜けるからといえます。例えば、自毛植毛では、自分の後頭部の薄毛の影響を受けない髪を、薄毛部分に移植します。これは、6−7割の髪がまだ残っている性質を利用しているといえます。移植しても頭髪全体の量は変わりません。それでも見た目に成功して見えるのは、目立つ所に髪を移動するからです。自毛植毛やかつら、ヘアスタイルなどの薄毛対策法についても別の記事で詳しく解説します。



  更新日: 2007年11月 7日


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