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最新のマイクログラフト植毛とFUT - 自毛植毛を詳しく解説

 1960年代からアメリカで広まった自毛植毛ですが、最初はパンチグラフト植毛という手法を使っていました。その当時は、15本ぐらいの髪が生えている皮膚を1つの株として、薄毛の部分に植毛していました。その15本ぐらいの髪がついた植毛株のことを「パンチグラフト」と呼びます。その後、自毛植毛にはパンチグラフトから、ミニグラフト(4−8本)、マイクログラフト(1−3本)と、1株あたりの髪の本数をどんどん減らしていく方向に進み、1980年代からマイクログラフト自毛植毛が一般化しました。パンチグラフトの時代から、生え際などの目立つところには、ミニグラフトやマイクログラフトを使って自然な仕上がりに見せていました。マイクログラフトがすべての植毛部に使われるようになったのは、株を手術中に死なさずに保存する技術や、大量の髪を効率的に植え込む技術などの発展が貢献しています

 マイクログラフトはパンチグラフトに比べて失敗のリスクが非常に少なく、実施後の満足度も高い事から、アメリカでは自毛植毛に参入する医者が急増しました。マイクログラフト植毛は比較的容易に実施できる手術なので、どんな医者でも参入できるようになったと言えます。そのため、植毛医の質はピンキリとも言えるので、植毛のカウンセリングを受ける際には、過去の手術症例を写真などで確認することが重要です。それでもマイクログラフト植毛は、見た目の失敗リスクも医学的失敗リスクも非常に少ないのが特徴といえます

 スタンダードな手術では、まず後頭部からドナー部分の髪を切り取り、それを数人のアシスタントが顕微鏡や拡大鏡の類を使いながら1000かそれ以上の個別の株に切り分けます。ドナーの株は乾燥させるとすぐだめになってしまうので、専用の液体につけて低温で保存されます。株分けには数人を使っても数時間かかりますし、さらに植え込む時間も同じだけかかることになります。パンチグラフトの時代には2−3時間だった植毛時間が、マイクログラフトではまる1日かかるようになりました。局部麻酔などにより手術中に痛みを感じることはほぼありませんが、とても長い1日となります。

 通常1回目の手術では、「薄毛」の状態から「薄くなりかけ」の状態に戻り、2回目で普通に髪が生えている状態ぐらいまで戻すことができます。目標としては、1回で30%の密度アップを実施し、2回目で合計60%の密度アップを行います。単純計算ですが、1回目実施前に20%の髪が薄毛部分に残っていたら、1回目で20%+30%=50%に回復し、2回目で50%+30%=80%に回復します。通常は1回で「年相応」の密度にまで戻るといえるのかもしれません。また、マイクログラフトは1株が最小単位であり、ほぼ1本1本植え込む形になるので、薄毛の部分に幅広くデザインすることができるようになりました。仕上がりの見た目に意識の高い植毛医は、10年後や20年後の薄毛のパターンも考えて植毛しようとします。将来の薄毛の可能性を考えてデザインするために、今はまだ生えている部分に植毛することも考えれます。

 現在では、FUT(フォリキュラー ユニット トランスプランテーション)と言われる手法が広まっています。これは、マイクログラフト植毛の一種で、より自然な仕上がりと生着率の高さを実現したものです。でも基本はマイクログラフト植毛と同じで、違いといえば、なるべく慎重に株分けして、なるべくドナーの髪を無駄にしないように使うことです。例えばドナー採取の時にはマルチブレードナイフを使ってざっくり切り取ってしまうのではなく、シングルブレードのナイフで慎重に確認しながらドナーを切り取ります。さらに株分けするときも、慎重に実施するために立体顕微鏡を使ったり、髪が自然に1−4本で固まっている毛包の集合単位(フォリキュラー ユニットといいます)の単位による株分けを厳密に守ります。頭皮を拡大して見ると分かるように、通常は1つの場所から数本の髪が束になって生えています。モノグラフトという完全に1本1本に髪を分ける手法が提唱されたこともありました。でも細かくしすぎると、逆に毛包を傷つけたり、生着が悪かったり、少し不自然に見えたりするデメリットがあります。そのため現在では、自然な1−4本の束の単位がベストとされています。



  更新日: 2007年11月 8日


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