プロペシアが女性と妊娠に与えるリスク - 薬で薄毛は治せるか
プロペシアは妊娠時のリスクを高めるとして、女性の使用が禁止されています。プロペシアは5α-リダクターゼの働きを妨害して、薄毛の原因となるDHTを押さえますが、DHTは男性のみならず女性にも存在し、男児を妊娠する際に使用されます。女性が男児を妊娠すると、細胞分裂を繰り返して男児の生殖器を形成していく際に、DHTが必要になります。もし妊娠中の女性がプロペシアを飲んでDHTが減少したとすると、場合によっては性器が男女のはっきりしない男児が生まれる危険性があります。
その場合も、思春期になりホルモンレベルが上がると、正常な男性の性器にまで成長するといわれています。プロペシアの副作用として、そのような症例はこれまで確認されていないようですが、理論的に可能性があるので女性には禁止されています。それと同じ理由で、まだ思春期を終えていない少年にも服用が禁じられています。実際に人間では報告されていないこの副作用ですが、ラットによる実験では確認されています。プロペシアの成分フィナステリドをメスに与え続けたことで、そのメスから誕生したオスの赤ちゃんの性器に異常が見られたそうです。一方、メスの赤ちゃんが生まれた際にはまったく異常がみられなかったそうです。
プロペシア(フィナステリド1mg)は、DHTの血清濃度を服用から24時間以内に65%も減らすほどの効果があります。見た目に薄毛への効果が出るまでは早くても3ヶ月かかるのですが、DHTの量を減らす側面から見ると、とてもよく効いているわけです。そのため、薬は女性がもし触ったとしても大丈夫なように、ちゃんとコーティングまでされています。妊娠中か妊娠の可能性のある女性が砕かれたり壊れたプロペシアを扱うことは、かたく禁止されています。プロペシアの説明書にも、「本剤が粉砕・破損した場合、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人は取扱わないこと。本剤はコーティングされているので、割れたり砕けたりしない限り、通常の取扱いにおいて有効成分に接触することはない。」と書かれています。
それでは、プロペシアを飲んでいる男性と女性が性交した場合は大丈夫なのかという疑問もわいてきます。この可能性に関しては、天文学的に確率が低いが副作用の可能性は0ではないといえそうです。臨床実験では、60%の男性は精子からプロペシアの成分フィナステリドは検出されませんでしたが、平均としては0.26ng/mLが検出されたそうです(最大1.52ng/mL)。例えば、1回あたり5mLの射精があって、すべて女性の膣から吸収さたと仮定すると、最大7.6ngのフィナステリドが女性に渡ることになります。人間に近いアカゲザルで実験では、妊娠中のサルに人間の体重にして6mg程度のフィナステリドを投与し続けても男児の性器に異常は見られませんでした。これは、プロペシアの6倍の量で、精液から渡る最大量(7.6ng)の750倍(精液から渡る平均量からすると4000倍以上)の分量でも、妊娠時の異常は無かったといえます。そのため、性交渉によって男性から女性へフィナステリドが渡った場合のリスクは相当低いといえます(プロペシアの説明書より引用: 「男性型脱毛症患者にフィナステリド1 mg を1 日1 回6 週間経口投与した時の精液中への移行量は極めて微量[投与量の0. 00076%以下]であった」)
上記の理論で言えば、特に子供を作る期間はプロペシアを飲まないようにすると、さらに安全であるといえます。しかし、リスクは完全に0になるということはないため(ごく微量でも体に残ることも考えられるので)、もし男児の妊娠や出産に問題が出たときに後悔するような可能性があれば、使用をやめたほうがよいかもしれません。可能性で言うときりが無いですが、リスクがあることだけは理解しておいたほうがよいと思われます。プロペシアは普通の風邪薬や頭痛薬のようにも見えるので、女性が間違えて飲んでしまう危険性もあります。そういう意味でも、妊娠中の妻を持つ夫はプロペシアの管理にとても慎重になるべきです。
参考に、プロペシアの説明書より動物実験の結果を引用します。「ラットなどより人間に近い、アカゲザルの妊娠20日から100日までフィナステリド120ng/kg/day(50kgの体重の成人の場合の6mg/dayにあたる。)を毎日静脈内投与した場合でも雌雄胎児に異常所見は認められなかった(アカゲザルへの投与量は、フィナステリド1mgが投与された患者の1回の射精を介して女性が曝露される可能性のあるフィナステリド量の少なくとも750倍に相当する)。また、2mg/kg/day(プロペシア1mgの100倍で患者の1回の射精を介して女性が曝露される可能性のあるフィナステリド量の少なくとも1200万倍)の大量のプロペシアを打たれたサルの、オスの子供は外陰部のみに奇形がみられました。メスの子供には何も異常が見られませんでした。」
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『Hair Loss Answers』
『The Bald Truth』
ISHRS(国際毛髪外科学会)のウエブサイト
http://www.ishrs.org/
FDA(米国食品医薬品局)のウエブサイト
http://www.fda.gov/
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